こんにちは、Åshildさん

Written by Pamflett
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Åshild is a frequent collaborator of Pamflett, mainly by making workshops for kids with the risograph. In Norway we have a culture program for public schools made by artists called The Culture Rucksack (Den Kulturelle Skolesekken), which has been our main collaborative project since 2018, and have made risoprints with around 500 kids between 6–10 years old.

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Åshild in her home in Møhlenpris in Bergen. Photo by Synne Sofi Bønes

こんにちは、Åshildさん。あなたについて少し教えてください。

私は、ノルウェー西海岸の山々に囲まれた街ベルゲンに住んでいる43歳の女性イラスト作家です。

私はずっとここで暮らしていて、ベルゲンのアートアカデミーでビジュアルデザインの修士号をとりました。

私は活発で落ち着きのない子供でしたが、絵を描いてる時、または誰かが面白い話をしてくれたりすると、何時間も落ち着いていられました。物語を描き出すことができるとわかったとき、私の人生の方向性が決まったのです。

私は、直線的な構成のある物語に取り組むのが好きなんです。そして、私は非常にくっきりとした黒い輪郭の描き方を身につけています。北斎の日常生活や世界観の絵を見ると、私にも絵を描きたくなります。そのスタイルとユーモア、細部にまでの注意、そしてその黒い輪郭は私にとって魔法です。

しかし、もっと瞑想的な方法で絵を描くのも好きです。インクや水彩絵の具を使って音楽を聴きながら、リズムと線で描くんです。

この5年間は、PamflettのAnkiさんと一緒にリソグラフ版画のワークショップを開催しています。子どもたちに形やフォルムを教えることで、自分たちのクリエイティビティも開花してきます。私にとっては、グラフィックな形やより大きな形を扱うことを学びました。特に、シルエットやグラフィックで背景を描写する方法は、私の作品に取り入れることもあります。


私の仕事は実に多岐にわたります。例えば、自分の本や、美術館の展示のためのイラストレーション、そしてマスコットやキャラクターのデザインなどを作ったりしたことがあります。そしてたまには、クリエイティブなコラボレーション・プロジェクトもあります。 

Photo by Synne Sofi Bønes

What is your relationship with publishing? And what does it mean to you? 

出版との関わりは、主に児童書の描き起こしに関連しています。出版社の編集者と密に仕事をするわけですから、厳しい規律があります。私はたくさん書いてたくさん描くので、絵本の仕事で正確さと明確さを鍛えられました。それはいいことなのですが、時に厳しすぎると感じることもあります。

だから、アーティストブックやファンジンのような自由な世界に惹かれるんです。そして、この世界で新しいコミュニケーションや表現方法を試しに時間をかけてみたいと思っています。

お仕事はお客様の案件が多いようですが、他にどのようなアートプロジェクトを行っているのかも教えてください。

私はインクで絵を描きます。このインクセットは、上海の空港のお土産屋さんで買ったものです。ドライインクで、ボウルの中で水と混ぜるんです。ドライインクを水で混ぜるという作業が大好きです。この儀式そのものは瞑想的です。また、インクがだんだん黒くなっていくのを見るのも楽しいです。

水彩絵の具で絵を描くのも、紙を埋めていくのも、すべて構図のトレーニングのようなものです。そして、ぼうっとすることもあります。

そしてスプーンとコーヒーだけで、コーヒーを紙の上にこぼしてスプーンでランダムな形を作ることがありました。これはまさに偶然を生かしたアートですね。これも、自分に厳しくしないようになるための良い方法なんです。私は「こうあるべき」という厳格な考えを持つ人間には見えないかもしれませんが、実はそうなんです。

また、石や葉っぱなど自然界のものを集めて、テーブルや床に並べたりもしています。頭の中の整理と、生活のリズムを整えるためです。

Photo by Synne Sofi Bønes

最近、取り組んでいるアートプロジェクトはありますか?

ええ、「Dans La Forêt」というインタラクティブな音楽劇で、11月17日にルクセンブルグで開催される「Rainy Days」という子供向けの音楽祭で初演される予定なんです。今は、ノルウェー、アメリカ、ルクセンブルグのアーティスト、作曲家、音楽家と密接に協力しながらストーリーを作り上げて、そしてそのビジュアルを描いている最中です。とても野心的な舞台で、クリエイティブな関係者の間で多くのコミュニケーションが必要ですが、このように作業することによってビジュアルと音楽とのつながりがより深まると思います。

今回の東京アートブックフェアには、Pamflettのコラボレーターとして参加されていますが、Sivさんにはもうひとつ、日本との接点があるようですね。それについて教えてください。

2011年に日本のTMSトムス・エンタテインメント(アンパンマンのアニメなどの制作会社)と契約を結びました。彼らは、私の本のキャラクター「キュッパ」(物を集めたり周りの人を巻き込んで様々なプロジェクトを行なったりするのが好きな小さな丸太)の短編アニメやグッズを制作してくれました。

私は近年、何度か日本を訪れてTMSの方々とお会いしてきました。また逆に、TMSの方々がノルウェーにも何度か来てくれています。日本で一緒に仕事をしている人たちは大好きですが、契約やライセンスの世界に入り込むには手間がかかります。ビジネスはアートスクールで教えてくれないので、アーティストの頭脳を持っている私には困難です。法的上の権利の扱い方を理解するのに長い時間がかかりました。でも、年齢を重ねるにつれて、今はそれらのバランスを取る方法を見つけ出しています。ゆっくりですが。 

さらに、2015年に東京都現代美術館(TOBI)で、私の最初のキュッパの本「キュッパの博物館」に基づいた「キュッパの美術館」という展覧会が開催されました。そのとき、私はキュレーターのサワコさんとアーティストのヒビヤさんと密接に仕事をしました。これは「UENO START」という大きな美術館のプロジェクトの一環として、既存顧客だけじゃなくて一般の人にも美術館とより密接な関係を築くために行われました。

このような経験を経て、私は美術館の世界をより理解できるようになりました。しかも、TMSの方々のおかげで、日本の食べ物や場所といった文化的な面白いことをたくさん教えてくれましたし、ただの観光客よりたくさんの経験をすることができた気がします。

でも今回は、ビジネスをメインにせずに日本を訪れることができます。グループでプロジェクトの一員になってよりクリエイティブな仕事ができるのをとても楽しみにしています。

日本の好きなところは、狭い通りや雑貨店で見つける小物がたくさんあることです。例えば、事務機器、紙、パッケージとそのマスコット、キャラクターデザイン、イラストレーション、デザインなどといったものです。とても豊かで細やかなんです。今度はもっと腰を据えて、日本のイラストをスケッチブックに描くようにしたいと思います。 

スケッチブックは私の人生の醍醐味です。スケッチブックが一杯になると、とても楽しい気になるし、充実感を感じます!

Åshild's sketchbook

Translation to japanese made possible with funding from Office of Contemporary Art Norway.